ジクロロ酢酸とCOX-2阻害剤のセレコックス(celecoxib)の併用は相乗的な抗腫瘍効果を示す

f-gtc (2018年7月25日 10:30)

ジクロロ酢酸とCOX-2阻害剤のセレコックス(celecoxib)の併用は相乗的な抗腫瘍効果を示す

Inhibition of COX2 enhances the chemosensitivity of dichloroacetate in cervical cancer cells(シクロオキシゲナーゼ2の阻害は子宮頚がん細胞におけるジクロロ酢酸の感受性を増強する)Oncotarget. 2017 Aug 1; 8(31): 51748-51757.

【要旨】
ミトコンドリア機能を高めるジクロロ酢酸は、子宮頚がんを含む多くの悪性腫瘍の治療において、抗がん剤感受性を高める増感剤として有望な可能性を示している。しかし、子宮頚がんに対するジクロロ酢酸単独の効果については不明である。
さらに、以前の報告は、シクロオキシゲナーゼ-2COX2)発現の増加が、化学療法抵抗性および子宮頚がんの予後不良と関連することを実証している。しかし、COX2が子宮頚がん細胞におけるジクロロ酢酸の感受性に影響を与えるかどうかは依然として不明である。
この研究では、子宮頚がん細胞がジクロロ酢酸に対して感受性が無いことがわかった。さらに、ジクロロ酢酸が子宮頚がん細胞のCOX-2の発現を亢進し、子宮頸がん細胞におけるジクロロ酢酸の化学感受性を妨げていることを初めて明らかにした。
メカニズムに関する研究は、ジクロロ酢酸がRNA binding protein quakingQKI)のレベルを低下させ、COX2 mRNAの分解を抑制してCOX2タンパク質の増加を引き起こすことを示した。
COX2阻害剤のセレコキシブの併用は、インビトロおよびインビボの両方の実験系でジクロロ酢酸に対する子宮頚がん細胞の感受性を高め、子宮頸がん細胞の増殖を抑制した。
これらの結果は、COX2がジクロロ酢酸の新規な抵抗因子であり、セレコキシブとジクロロ酢酸との組み合わせが子宮頚がんの治療に有益であり得ることを示している

【解説】
RNA binding protein quakingQKI)はRNA結合タンパク質であり、mRNA前駆体のスプライシング、mRNAの輸送、安定性、翻訳、miRNAのプロセシング、環状RNAの形成などに関与しています。

ジクロロ酢酸は子宮頚がん細胞にアポトーシスを誘導できますが、ジクロロ酢酸はCOX2の発現を増加し、COX-2は子宮頚がん細胞のジクロロ酢酸に対する感受性を低下させます。ジクロロ酢酸はCOX2mRNAの安定性を亢進して、COX2たんぱく質を増やすからです。

そのため、COX2阻害剤のcelecoxibは、ジクロロ酢酸の抗腫瘍効果を高めることができるのです。 

つまり、子宮頚がんを含めて、抗がん剤に対するがん細胞の感受性を高める目的でジクロロ酢酸を併用するときにはシクロオキシゲナーゼ-2COX-2)阻害剤のcelecoxib(商品名:セレコックス)を併用するのが良いと言えます。

原文:

Oncotarget. 2017 Jun 16;8(31):51748-51757. doi: 10.18632/oncotarget.18518. eCollection 2017 Aug 1.

Inhibition of COX2 enhances the chemosensitivity of dichloroacetate in cervical cancer cells.

Abstract

Dichloroacetate (DCA), a traditional mitochondria-targeting agent, has shown promising prospect as a sensitizer in fighting against malignancies including cervical cancer. But it is unclear about the effect of DCA alone on cervical tumor. Moreover, previous reports have demonstrated that the increased cyclooxygenase-2 (COX2) expression is associated with chemoresistance and poor prognosis of cervical cancer. However, it is still unknown whether COX2 can affect the sensitivity of DCA in cervical cancer cells. In this study, we found that cervical cancer cells were insensitive to DCA. Furthermore, we for the first time revealed that DCA could upregulate COX2 which impeded the chemosensitivity of DCA in cervical cancer cells. Mechanistic study showed that DCA reduced the level of RNA binding protein quaking (QKI), leading to the decay suppression of COX2 mRNA and the subsequent elevation of COX2 protein. Inhibition of COX2 using celecoxib could sensitize DCA in repressing the growth of cervical cancer cells both in vitro and in vivo. These results indicate that COX2 is a novel resistance factor of DCA, and combination of celecoxib with DCA may be beneficial to the treatment of cervical cancer.

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