酪酸の産生を増やすミヤBMとα-シクロデキストリンの利用

◉ 宮入菌(酪酸菌)製剤 ミヤBM細粒: 20円/1g(税込み)
  成人は1日に1.5gから3gを3回に分けて服用します。年齢や症状に応じて適宜増減します。

健康長寿者の腸内には、乳酸菌やビフィズス菌や酪酸産生菌(酪酸菌)などいわゆる善玉菌が多いことが指摘されています。宮入菌は酪酸を産生する酪酸菌(Clostridium butyricum)の有用菌株として著名であり、芽胞を製剤化して整腸剤として用いられています。 宮入菌(酪酸菌)は、ビフィズス菌や乳酸菌と異なり、その名の通り腸のなかで発芽、増殖し、酪酸を産生します。
ミヤBMは医療用として使用されている宮入菌製剤です。ミヤBMの効能・効果として「腸内菌叢の異常による諸症状の改善」と記載されています。酪酸菌(宮入菌)が腸内細菌叢のバランスを改善することによって、下痢、軟便、便秘、腹部膨満感などの各種腹部症状を改善します。抗生物質の服用により現れる下痢など、腸内細菌叢の異常による諸症状の改善のため医療用として使用されています。

◉ α-シクロデキストリン: 5000円/500g(税込み)
  成人は1日に10gから20g程度を1〜3回に分けて服用します。年齢や症状に応じて適宜増減します。
  水に溶かして服用します。ミヤBM細粒と一緒に水に溶かして服用すると効果的です

α-シクロデキストリンはトウモロコシや馬鈴薯のデンプンから酵素の働きによって作られている、天然に存在する環状オリゴ糖です。ブドウ糖(グルコース)が6個環状に連なった構造です。
様々な種類の食物繊維がありますが、酪酸菌によって発酵されて短鎖脂肪酸の産生量が最も多いのがα-シクロデキストリンと報告されています。

ミヤBM細粒とα-シクロデキストリンに関するご質問やご購入に関してはメール(info@f-gtc.or.jp)か電話(03-5550-3552)かファックス(03-3541-7577)でお問合せ下さい。

【健康長寿者の腸内には酪酸菌が多い】

健康長寿者の腸内には、乳酸菌やビフィズス菌や酪酸産生菌(酪酸菌)などいわゆる善玉菌が多いことが指摘されています。食物繊維を多く摂取するとこれらの善玉菌が増えることが明らかになっています。 このように腸内の善玉菌を増やすと健康と美容を高めることができます。
善玉菌は水溶性食物繊維を発酵させて乳酸や短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)を産生し、腸の働きを良くします。 腸には体の免疫細胞の70%が集まっていると言われており、腸内で産生された酪酸は腸粘膜の抵抗性を高め、炎症を抑え、免疫機能を向上することが明らかになっており、酪酸を産生する酪酸菌が注目されています。
善玉菌の代表の乳酸菌やビフィズス菌は酪酸を産生できません。 酪酸を産生することから名付けられたクロストリジウム・ブチリカム(Clostridium butyricum)は芽胞形性能を有する桿菌です。芽胞の形で環境中に広く存在していますが、特に動物の消化管内常在菌として知られています。
日本では宮入菌と呼ばれる株が有用菌株として著名であり、芽胞を製剤化して整腸剤として用いられています。宮入菌は1933年に宮入近治博士によって人の糞便から分離された菌株です。

図:宮入近治博士(1896年-1963年)は腐敗菌に対して強力な拮抗現象を示す芽胞菌を発見し「宮入菌」と命名した。宮入菌は酪酸を産生する酪酸菌(Clostridium butyricum)の有用菌株として著名であり、芽胞を製剤化して整腸剤(ミヤBM)として用いられている。

宮入菌製剤は医薬品としてミヤBMとして使用されていますが、宮入菌製剤は指定医薬部外品の分類なので、コンビニやスーパーやネット通販でも購入が可能です。
宮入菌(酪酸菌)は、ビフィズス菌や乳酸菌と異なり、その名の通り腸のなかで発芽、増殖し、酪酸を産生します。この酪酸は腸内のエネルギー源として利用されているほか、腸の環境を安定に維持させ、病原菌の侵入や炎症などから守っています。
ミヤBMの効能・効果として「腸内菌叢の異常による諸症状の改善」と記載されています。酪酸菌(宮入菌)が腸内細菌叢のバランスを改善することによって、下痢、軟便、便秘、腹部膨満感などの各種腹部症状を改善します。抗生物質の服用により現れる下痢など、腸内細菌叢の異常による諸症状の改善のため医療用として使用されています。

【水溶性食物繊維が消化管内で発酵して乳酸と短鎖脂肪酸が生成する】

食物繊維はデンプンやグリコーゲンと同じ多糖類(糖が多数つながったもの)です。同じ多糖でもデンプンやグリコーゲンは消化管内で酵素によってグルコース(ブドウ糖)に分解されて体内に吸収されてエネルギー源となりますが、食物繊維は人間の消化酵素で分解されないため、エネルギー源とはなりにくいと一般には考えられています。 しかし、水溶性食物繊維(イヌリン、ペクチン、βグルカン、グルコマンナンなど)は腸内細菌による発酵によって乳酸短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)のような有機酸が生成され、これらはエネルギー源として体内で利用されています。  
つまり、乳酸や酢酸やプロピオン酸は糖新生の材料になり肝臓でグルコースの生成に使われます。また、これらはTCA回路に入って分解されてATP産生に使われます。酪酸は大腸粘膜上皮細胞のエネルギー源として使われます

図:酢酸は炭素が2個、プロピオン酸は炭素が3個、酪酸は炭素が4個の単鎖脂肪酸。乳酸は炭素数3個のカルボン酸。これらは腸内で水溶性食物繊維の発酵によって産生される。乳酸は乳酸菌による乳酸発酵で産生され、中鎖脂肪酸は酪酸菌などで発酵されて産生される。それぞれの化学物質はいろんな中間代謝産物を介してエネルギー代謝の経路に組み込まれてエネルギー源となる。酪酸はヒストン脱アセチル化酵素阻害作用があり、様々な遺伝子の発現を亢進する作用がある。。

牛は草だけ食べて、大量のミルクと肉を作っています。ゴリラは霊長類で最も大きな体です。体重はオスが150kgを超えますが、食糧は主に木の葉や樹皮です。 牛もゴリラも、草や木の葉の食物繊維を消化管内でバクテリアが発酵して短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸など)を作っています。  
炭水化物の発酵によって生成した酢酸プロピオン酸酪酸などの有機酸(短鎖脂肪酸)を吸収して、細胞内のミトコンドリアでさらに分解してエネルギーを産生しています。  これらの短鎖脂肪酸は肝臓でアミノ酸や脂肪の合成にも使われます。消化管内のバクテリアはアミノ酸も合成して草食動物に供給しています。  
乳酸はエネルギー源として利用されるだけでなく、腸内pHを低下させて悪玉菌の増殖を抑制する効果があります。 短鎖脂肪酸は、体内に吸収されて糖新生やATP産生に利用されるだけでなく、短鎖脂肪酸の受容体であるGPR41(FFA3)やGPR43(FFA2)を介して生体の代謝を調節する作用や、遺伝子発現の調節作用(酪酸のヒストン脱アセチル化酵素阻害作用によるヒストンアセチル化)があります。空腹感を抑制する作用や抗炎症作用なども報告されています。  
このように、食物繊維はエネルギー産生や生体機能の調節や発がん抑制など重要な役割を果たしています

【短鎖脂肪酸はエネルギー産生や物質合成に使われる】

水溶性食物繊維は十分に発酵させれば、1グラム当たり1.5 kcalのエネルギーを産生すると報告されています。ケトン食で糖質を減らして脂肪を増やす時、水溶性食物繊維を多くとれば、エネルギーの足しになります。
短鎖脂肪酸に起因する健康への影響の1つは、腸管内のpHの低下によって病原性微生物を抑制することです。酢酸は、ビフィズス菌が腸内病原菌を阻害する能力において重要な役割を果たしていることがわかっています。プロピオン酸は運動能力を高める効果が報告されています。 さらに、酪酸は腸上皮細胞に燃料を供給し、ムチン産生を増加させ、細菌接着を阻止する作用があります。したがって、短鎖脂肪酸の産生は腸バリア機能の維持に重要な役割を果たしています
酪酸は結腸粘膜上皮細胞によって代謝され、残りは肝静脈によって輸送されて肝臓に入り、そこで代謝されます。 短鎖脂肪酸は、糖および脂質の代謝経路に入ります。プロピオン酸塩は主に糖新生に組み込まれ、酢酸塩と酪酸塩は主に脂質生合成に組み込まれます。

【短鎖脂肪酸は遺伝子発現や代謝を調節する作用がある】

短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)が結合する受容体として、Free Fatty Acid Receptor 2(FFA2)Free Fatty Acid Receptor 3(FFA3)が見つかっています。FFA2はGPR43、FFA3はGPR41としても報告されていますが、これらの受容体が脂肪組織や免疫組織、内分泌組織、消化管組織など広く分布し、短鎖脂肪酸が結合することによって生体の栄養摂取や代謝を調節していることが報告されています。
短鎖脂肪酸は結腸直腸がんの発症を予防することも観察されており、ほとんどの研究は酪酸に焦点を当てています。結腸直腸がんに対する食物繊維の保護効果は、微生物叢による酪酸の生成に依存していることが示唆されています 。
酪酸は、結腸の運動性を促進し、炎症を軽減し、がん細胞のアポトーシスを誘導し増殖を抑制します。この効果は、ヒストン脱アセチル化の阻害を介して媒介されるようです。 酪酸(butyrate)はヒストン脱アセチル化酵素阻害作用があり、遺伝子発現を制御する作用があります。(下図)

図:ヒストンアセチル基転移酵素(①)によってヒストンのアセチル化が亢進すると、クロマチンが緩み、遺伝子転写活性が亢進する(②)。ヒストン脱アセチル化酵素(③)によってヒストンのアセチル化が低下するとクロマチンが凝集して遺伝子転写活性は抑制される(④)。酪酸はヒストン脱アセチル化酵素を阻害する作用がある(⑤)。その結果、酪酸は遺伝子発現を亢進する作用がある。。 

【α-シクロデキストリンは酪酸産生量が最も多い】

様々な種類の食物繊維がありますが、酪酸菌によって発酵されて短鎖脂肪酸の産生量が最も多いのがα-シクロデキストリンと報告されています。 α-シクロデキストリンはトウモロコシや馬鈴薯のデンプンから酵素の働きによって作られている、天然に存在する環状オリゴ糖です。ブドウ糖(グルコース)が6個環状に連なった構造です。(下図)

図::α-シクロデキストリン(Alpha-Cyclodextrin)は6個のグルコース(ブドウ糖)が α-1,4結合で結合した環状オリゴ糖。

α-シクロデキストリンは小腸の消化酵素では全く分解されず、大腸内の腸内細菌で発酵分解される特徴を持ち、食物繊維として作用します。 他の食物繊維はグルコース(ブドウ糖)だけでなく、フルクトース(果糖)やガラクトースが連なっていたり、連なる数も様々な分子が混在しています。
一方、α-シクロデキストリンはグルコースのみから構成され、混合物ではなく単一の分子です。 α-シクロデキストリンはデンプンと同様にグルコースがα-1,4結合で結合しているので、本来であれば消化性を示すのですが、環状で安定しているため小腸の消化酵素で分解されません。  
α-シクロデキストリンは無傷で大腸に到達し、腸内細菌によって環が切られ、鎖状になって完全に発酵分解され、短鎖脂肪酸に変換されます。他の食物繊維に比べて、酪酸菌(宮入菌)による酪酸を作る効率が最も高いというデータが報告されています

以上から、プロバイオティクスとしてヨーグルト(乳酸菌とビフィズス菌)酪酸菌製剤(ミヤBM)を摂取し、プレバイオティクスとしてα-シクロデキストリンを組み合わせたシンバイオティクスで腸内の乳酸と短鎖脂肪酸(特に酪酸)を増やすと、体の治癒力を高め、寿命を延ばし、がん細胞の増殖抑制にも効果が期待できます。
さらに、日頃から水溶性食物繊維の多い食品(海藻やオクラなど)を食べることは腸内の乳酸と短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)の産生を高め、腸の働きを活性化し、健康増進と抗老化とがん予防に有効です。

図:腸内の悪玉菌(腐敗菌)は腸内のタンパク質やアミノ酸を腐敗させて有害物質を作り(①)、体の治癒力を低下し、発がんを促進する(②)。オクラや海藻類に多く含まれる水溶性食物繊維(③)は、乳酸菌やビフィズス菌や酪酸菌によって発酵され、短鎖脂肪酸(⑤)や乳酸(⑥)を作る。短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)は腸粘膜バリアの増強や大腸運動の活発化、抗炎症作用、がん予防効果など様々な健康作用を発揮する(⑦)。乳酸は腸内pHを低下させて悪玉菌(腐敗菌)の増殖を抑制する(⑧)。ヨーグルト(⑨)は乳酸菌とビフィズス菌を供給し、整腸剤のミヤBMは酪酸菌を供給する(⑩)。難消化性糖質のα-シクロデキストリンは酪酸菌による酪酸産性能が極めて高い(⑪)。ヨーグルトと酪酸菌(ミヤBM)とα-シクロデキストリンと水溶性食物繊維の多い食事を組み合わせたシンバイオティクスで腸内の乳酸と短鎖脂肪酸(特に酪酸)を増やすと、体の治癒力を高め、寿命を延ばす効果が期待できる。


ヨーグルトと酪酸菌(ミヤBM)とα-シクロデキストリンと水溶性食物繊維の多い食事を組み合わせたシンバイオティクスで腸内の乳酸と短鎖脂肪酸(特に酪酸)を増やすと、体の治癒力を高め、寿命を延ばす効果が期待できます。

◉ 宮入菌(酪酸菌)製剤 ミヤBM細粒: 20円/1g(税込み)         
成人は1日に1.5gから3gを3回に分けて服用します。年齢や症状に応じて適宜増減します。

◉ α-シクロデキストリン: 5000円/500g(税込み)         
成人は1日に10gから20g程度を1〜3回に分けて服用します。年齢や症状に応じて適宜増減します。         
水に溶かして服用します。ミヤBM細粒と一緒に水に溶かして服用すると効果的です

ミヤBMとα -シクロデキストリンに関するご質問やご購入に関してはメール(info@f-gtc.or.jp)か電話(03-5550-3552)かファックス(03-3541-7577)でお問合せ下さい。