ジインドリルメタンの抗がん作用  

DIM-Pro 100

抗がん作用のあるジインドリルメタンを、体内に吸収しやすく製剤化した米国製のサプリメントです。
ジインドリメタンは、乳がんや前立腺がんをはじめ、その他多くのがん細胞の増殖を抑え、細胞死(アポトーシス)を誘導する効果があります。免疫増強作用や、がん細胞の抗がん剤感受性を高める効果も報告されています。
1ヶ月分/120カプセル:9000円(消費税込み)
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ブロッコリーやケールなどのアブラナ科の植物や野菜には抗がん作用のある成分が多く含まれていますが、その代表的な成分がGlucobrassicin(グルコブラシシン)です。このグルコブラシシンは加水分解してインドール-3-カルビノール(Indole-3-carbinol, I3C)になり、さらに胃の中の酸性の条件下では、I3Cが2個重合したジインドリルメタン(3,3'-diindolylmethane, DIM)になります(下図)。

グルコブラシン
(glucobrassicin)
インドール-3-カルビノール
(Indole-3-carbinol)
ジインドリルメタン
(3,3'-diindolylmethane)

I3CとDIMは、乳がんや前立腺がん細胞など多くのがん細胞の増殖を抑えたり、アポトーシス(細胞死)を引き起こすなどの直接的な抗がん作用が報告されています
さらに、エストロゲンの代謝を促進する酵素を誘導して乳がん細胞の増殖を抑える効果や、抗アンドロゲン作用によって前立腺がん細胞の増殖を抑える作用、ダメージを受けたDNAを修復する酵素を誘導する作用などが報告されています
抗がん剤耐性を引き起こす転写因子のNF-κBの活性を阻害することによって抗がん剤感受性を高める効果が報告され、抗がん剤治療と併用することによって抗がん剤の効き目を高めることが報告されています

がん細胞では、セリンスレオニンリン酸化酵素のAktキナーゼや核内転写因子NF-κBが恒常的に活性化していることが多く、このようなAktやNF-κBの活性化が抗がん剤に対する抵抗性獲得の原因となっています。
培養細胞や動物を使った実験で、ジインドリルメタンは、Akt/NF-κBシグナル伝達系を阻害する作用によって、がん細胞の細胞死(アポトーシス)を誘導する作用、抗がん剤に対する感受性(抗がん剤が効きやすくなること)を高める効果が報告されています
例えば、乳がん細胞に対するタキソールの効果、前立腺がん細胞の対するタキソテールの効果、膵臓がんに対する抗がん剤(シスプラチン、ジェムシタビン、オキサリプラチン)やタルセバ(erlotinib)の効果を高めることが報告されています
さらに、NF-κBの活性を阻害することによって、NF-κBによって調節を受け、血管新生やがん細胞の浸潤や転移に関与しているVEGFやIL-8やMMP-9やuPAなどの遺伝子発現を抑え、がん細胞の増殖や転移を抑える効果も報告されています。がん細胞のタンパク質や脂質の合成を促進し細胞増殖や血管新生を促進するmTOR(mammalian target of rapamycin:哺乳類ラパマイシン標的蛋白質)の活性を抑制する効果も報告されています。
副作用が無いので、抗がん剤と併用しても問題が起こることはありません。

がん細胞内でAkt/NF-κBシグナル伝達系が活性化されると、がん細胞の増殖、抗がん剤抵抗性、血管新生、浸潤・転移が促進される。
ジインドリルメタンは、がん細胞のAkt/NF-κBシグナル伝達系を抑制することによって、がん細胞の増殖を抑制し、抗がん剤感受性を高める効果を発揮する。

米国では、インドール-3-カルビノールもジインドリルメタンもどちらもサプリメントとして販売されています。
インドール-3-カルビノールは不安定で、胃の中の酸性の条件下でジインドリルメタンになります。ジインドリルメタンは消化管から容易に吸収され、体中の臓器や組織に移行することが知られています。ジインドリルメタンには強力な抗がん作用が報告されていますので、乳がんや前立腺がんをはじめ多くの予防や治療における利用が期待されています。

アブラナ科植物に含まれるIndole-3-carbinolおよびこれが酸性の条件下で生成される重合体の3,3'-diindolylmethaneの抗がん作用に関しては、極めて多くの研究がなされています。乳がんや前立腺癌をはじめ多くのがん細胞の増殖を抑え、細胞死(アポトーシス)を誘導すること、がん細胞の抗がん剤感受性を高める効果などが報告されています。そのうち、いくつかの研究を紹介します。

(要旨)indole-3-carbinol (I3C)が酸性条件下で生成される3,3'-diindolylmethane (DIM) による乳がん細胞に対する抗腫瘍効果のメカニズムを検討するために、DIMで細胞を処理した後に変化する遺伝子発現のパターンを解析した。DIM処理により1238遺伝子の発現レベルが変化し、そのうち550遺伝子は発現レベルが低下し、688遺伝子は発現量が増加した。細胞の増殖やアポトーシスやシグナル伝達に関与している幾つかの遺伝子の中で著明な変化がみられたものがあり、その中にsurvivinが含まれていた。
Survivinはアポトーシスを阻害する蛋白質で、乳がんを含め多くのヒトがん細胞で過剰に発現していることが知られている。したがって、DIMは乳がん細胞のsurvivinの発現を抑制することによって、増殖を抑制し、アポトーシスを誘導する可能性が示唆された。
他の研究も含め、
DIMはsurvivin, Bcl-2, cdc25Aのような増殖を促進する遺伝子の発現を抑え、細胞増殖をとめるp21(WAF1)遺伝子の発現を増加させることによって抗腫瘍効果を示すことが示唆された

(要旨)浸潤性の乳がんの25〜30%はHER2/neu がん遺伝子を過剰発現しているが、HER2/neu 陽性乳がんは、増殖が早く、抗がん剤に抵抗性であり、治療が困難である。アブラナ科植物に多く含まれるインドール-3-カルビノールの代謝産物の3'3'-diindolylmethane (DIM)は乳がんに対して増殖抑制やアポトーシス誘導など抗腫瘍効果を示すことが報告されている。
HER2/neuを過剰発現している乳がん細胞は抗がん剤の paclitaxelに対して抵抗性である。そこで、DIMがpaclitaxelの抗腫瘍効果を高めるかどうかを検討した。その結果、
DIMとpaclitaxelを併用すると、HER2/neu陽性の乳がん細胞の増殖を抑制しアポトーシスを誘導する効果を相乗的に高めることが示された。

(要旨)DNAトポイソメラーゼというのは、DNAの一部を切断し、再結合させる働きをもち、DNAの複製に必要な酵素。トポイソメラーゼの阻害剤は抗菌・抗ウイルス・抗カビ剤・抗がん剤として作用し、抗がん剤のアドリアマイシン、ラステット、イリノテカンなどはトポイソメラーゼ阻害剤である。
この論文では、
ジインドリルメタンがDNAトポイソメラーゼIIαを強く阻害し、トポイソメラーゼIやIIβも部分的に阻害する作用があることを報告している。そして、培養肝臓がん細胞HepG2を用いて、ジインドリルメタンがDNA合成や細胞分裂を阻害する効果を示している。

(要旨)アブラナ科の野菜が前立腺がんを予防する効果があることが知られている。その抗がん物質として、インドール-3-カルビノール(I3C)のようなインドールや、イソチオシアネートが知られている。I3Cは不安定なので、より安定な2量体のジインドリルメタン(DIM)の方が有用である。
アンドロゲン依存性前立腺がん細胞(LNCaP)に対する抗腫瘍効果は50%増殖阻止濃度がI3Cが150μMであったのに対して、DIMは50μMであった。
DIMは増殖刺激を受けたLNCaP細胞のDNA合成と細胞分裂を抑制した。また、アンドロゲン受容体、サイクリンD1、cdk4の発現やAktのリン酸化など、細胞増殖に関わるシグナルを抑制した。
以上の結果より、ジインドリルメタンは前立腺がんの発生予防や治療に有用な食事由来の新しい抗がん物質であることが示唆された。

この論文では、マウスにジインドリルメタンを経口投与によって摂取させると、脾臓のリンパ球が増加し、インターロイキン-6(IL-6)やIL-12、インターフェロン-γ、顆粒球コロニー増殖刺激因子 の産生が高まり、ウイルス感染に対する抵抗力が高まることを報告しています。

がん細胞が抗がん剤に抵抗性になる機序の一つとして、がん細胞内における核内転写因子NF-κBの活性亢進があります。つまり、がん細胞内の核内のNF-κBが活性化して、この転写因子によって発現する遺伝子の働きによって、がん細胞は死ににくくなることが知られています。したがって、がん細胞におけるNF-κB活性を阻害する医薬品は、がん治療において有用と考えられています。
ジインドリルメタンは乳がん細胞にアポトーシスを誘導し、血管新生阻害作用を示し、抗腫瘍効果を発揮します。さらにこの論文では、タキソテールに対する乳がん細胞の感受性(抗がん剤による死にやすさ)がDIMによって亢進することを示しています。その機序として、NF-κB活性をジインドリルメタンが阻害する作用が関与していることを、この研究は報告しています。
つまり、
ジインドリルメタンはNF-κB活性を阻害することによって、乳がん細胞の抗がん剤感受性を高める効果があると報告しています。

Erlotinib(商品名:タルセバ)は上皮成長因子受容体(EGFR)を阻害する抗がん剤ですが、EGFRだけを阻害しても、がん細胞の増殖を抑える効果には限界があります。EGFRの他にも、細胞増殖に関連するシグナル伝達を抑えると、がん細胞の増殖を抑える効果を高めることができます。
この報告では、erlotinibによって誘導されるアポトーシスをジインドリルメタンが増強することを、培養細胞(in vitro)と動物(in vivo)を使った実験で示しています。膵臓がんの培養細胞をジインドリルメタン (20 micromol/L)とerlotinib (2 micromol/L)を一緒に添加すると、それぞれ単独で添加した場合と比べて、がん細胞のアポトーシスが増強しました。動物実験においても、ジインドリルメンタンはerlotinibの抗腫瘍効果を増強しました。
作用機序としては、
ジインドリルメタンは転写因子NF-κBの活性を阻害することによって、erlotinibに対するがん細胞の抵抗性を低下させることが示唆されました

培養膵臓がん細胞を使った実験で、ジインドリルメタンで前処理すると、抗がん剤(シスプラチン、ジェムシタビン、オキサリプラチン)に対する感受性を高め、単独で効く濃度よりも少ない濃度で、がん細胞のアポトーシス(細胞死)を誘導しました
膵臓がん細胞の抗がん剤耐性の機序として、核内転写因子のNF-κBの活性化が関連しており、抗がん剤治療によってNF-κB活性はさらに活性化されます。
がん細胞の抗がん剤耐性や死ににくさに関連してる遺伝子(Bcl-xLやsurvivinなど)の発現がNF-κBの活性によって制御されているため、NF-κB活性を抑えると、がん細胞は抗がん剤治療に対して効きやすくなります
ジインドリルメタンは、膵臓がんですでに高くなっているNF-κB活性と、抗がん剤治療によって誘導されるNF-κBの活性化をともに抑制することによって、抗がん剤治療に対するがん細胞の感受性(死にやすさ)を高めます。さらに、動物を使った実験でも、がん組織のNF-κB活性を抑制することによって、オキサリプラチンの腫瘍縮小効果を増強することが示されました。
以上の結果から、
抗がん剤治療にジインドリルメタンを併用すると、がん細胞におけるNF-κB活性が抑制され、抗がん剤治療の効果が高められることが示唆されました

Survivinはアポトーシス(細胞死)の過程を阻害する蛋白質であり、前立腺の進展や抗がん剤耐性と関連しています。ホルモン療法に対する抵抗性や骨転移においてsurvivinは重要な役割を果たしていると考えられ、したがって、survivinの働きを抑えることは前立腺がんの治療効果を高める可能性があります。
この研究では、
ジインドリルメタンは、前立腺がん細胞内でのsurvivinの産生を抑え、抗がん剤のタキソテールに対する感受性を高め、タキソテールの殺細胞作用を増強することを示しました。ジインドリルメタンは前立腺がん細胞のホルモン受容体やNF-κB活性を低下させる作用も認められました。
以上のことから、
前立腺がんのタキソテールの抗がん剤治療にジインドリルメタンを併用すると、治療効果を高めることができることが示されました。

転写因子NF-κBや、シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)、上皮成長因子受容体(EGFR)のそれぞれは、がん細胞の増殖と生存を促進する作用がある。これらの活性を単独で阻害しても、進行した膵臓がんの治療には十分な効果は得られないことが臨床試験の結果明らかになっている。しかし、この3つの活性を同時に阻害すると、細胞増殖の抑制とアポトーシス(細胞死)の誘導が著明に増強される。
ジインドリルメタンはNF-κBとCOX-2をともに阻害する作用が報告されており、がん予防物質として知られている。
膵臓がん培養細胞を使った実験(in vitro)と膵臓がんを移植したマウスの実験(in vivo)で、EGFRの阻害作用を有するerlotinib(商品名:タルセバ)と、NF-κBとCOX-2の阻害作用を有するジインドリルメタンの併用は、gemcitabine(商品名:ジェムザール)の抗腫瘍活性を著明に増強した。
この研究結果から、
進行膵臓がんに対するジェムザールとタルセバによる治療に、ジインドリルメタンを併用すると、抗腫瘍効果を高めることができる。

 



【ホソバタイセイとは】
ホソバタイセイ(Isatis tinctoria)は古代のブリトン人とケルト人が戦争に出陣するときの化粧の青色顔料として用いていたアブラナ科の植物です。日本でも、藍染めの原料として知られていますが、化学染料の出現とともに栽培がすたれてきています。
薬草としては、抗菌作用や抗ウイルス作用が認められており、漢方では「大青葉(タイセイヨウ)」という生薬名で、清熱涼血・解毒の効能があり、高熱や発疹を伴う感染症、たとえば麻疹、流感、肝炎、脳炎、急性腸炎、肺炎、丹毒などの疾患に用いられています。
イタリアのボローニャ大学のStefania Galletti氏らの研究チームは,ホソバタイセイに抗がん化合物グルコブラシシンが豊富に含まれていることを確認し,Journal of the Science of Food and Agriculture(2006; 86: 1833-1838)に発表しています。この化合物を含む植物として、従来、ブロッコリーがその代表でした。この報告では、ホソバタイセイには、同じアブラナ科に属すブロッコリーに比べ,グルコブラシシン(Glucobrassicin)の含有量が20倍も豊富であることを確認しています。このグルコブラシシンは特に前立腺がんや乳がんに効果があることが知られています。

【グルコブラシシンは植物が生体防御に利用している】
植物は病原菌からの感染や、動物から食べられるのを防ぐために、生体防御物質や毒になるものをもっています。グルコブラシシンはホソバタイセイが病原菌の感染から身を守るために作られていることが推測されています。つまり、ホソバタイセイの葉に病原性ウイルスを感染させたり、機械的に傷をつけるとグルコブラシシンが多く作られてくることから、グルコブラシシンはホソバタイセイの生体防御に作用していると考えられているのです。
このような物質は、人間でも抗菌作用や抗ウイルス作用が期待できます。また、抗菌・抗ウイルス作用をもった成分の中には抗がん作用を示すものもあります。実際、植物から見つかる抗がん物質の多くは、植物が自分を守るための生体防御成分のことが多いのです。つまり、植物が自分の生体防御の為に持っている成分は、人間の病気を治したり、生体防御力を高める薬効が期待できるのです。



【ホソバタイセイとは】
ホソバタイセイ(Isatis tinctoria)は古代のブリトン人とケルト人が戦争に出陣するときの化粧の青色顔料として用いていたアブラナ科の植物です。日本でも、藍染めの原料として知られていますが、化学染料の出現とともに栽培がすたれてきています。
薬草としては、抗菌作用や抗ウイルス作用が認められており、漢方では「大青葉(タイセイヨウ)」という生薬名で、清熱涼血・解毒の効能があり、高熱や発疹を伴う感染症、たとえば麻疹、流感、肝炎、脳炎、急性腸炎、肺炎、丹毒などの疾患に用いられています。
イタリアのボローニャ大学のStefania Galletti氏らの研究チームは,ホソバタイセイに抗がん化合物グルコブラシシンが豊富に含まれていることを確認し,Journal of the Science of Food and Agriculture(2006; 86: 1833-1838)に発表しています。この化合物を含む植物として、従来、ブロッコリーがその代表でした。
この報告では、ホソバタイセイには、同じアブラナ科に属すブロッコリーに比べ,グルコブラシシン(Glucobrassicin)の含有量が20倍も豊富であることを確認しています。このグルコブラシシンは特に前立腺がんや乳がんに効果があることが知られています。

【グルコブラシシンは植物が生体防御に利用している】
植物は病原菌からの感染や、動物から食べられるのを防ぐために、生体防御物質や毒になるものをもっています。グルコブラシシンはホソバタイセイが病原菌の感染から身を守るために作られていることが推測されています。つまり、ホソバタイセイの葉に病原性ウイルスを感染させたり、機械的に傷をつけるとグルコブラシシンが多く作られてくることから、グルコブラシシンはホソバタイセイの生体防御に作用していると考えられているのです。
このような物質は、人間でも抗菌作用や抗ウイルス作用が期待できます。また、抗菌・抗ウイルス作用をもった成分の中には抗がん作用を示すものもあります。実際、植物から見つかる抗がん物質の多くは、植物が自分を守るための生体防御成分のことが多いのです。つまり、植物が自分の生体防御の為に持っている成分は、人間の病気を治したり、生体防御力を高める薬効が期待できるのです。

銀座東京クリニックでは、ジインドリルメタンのサプリメントを処方しています。
1ヶ月分(100mg, 120カプセル)が9000円(税込み)です。
グルコブラシシンを多く含むタイセイヨウや、その他の抗がん生薬を組み合わせた抗がん漢方薬も処方しています。

ご質問や購入希望の方は、電話(03-5550-3552)かメール(info@f-gtc.or.jp)にてお問合せ下さい。

 

リンク:○膵臓がんの抗がん剤感受性を高めるジインドリルメタンの効果